コロナウイルスが流行ったことで、アルコール消毒をどこででも見かけるようになりましたよね。店に入ると消毒。少し外に出て別の店に入るとまた消毒。
一日に何回アルコール消毒 をするんだと、よく思うことがあります。心なしか自分の手が白くなって、きれいになったようにも感じます。思わぬ副産物です。
これだけではありません。実はこのアルコール消毒、加齢臭対策にも効果があるんです。今では日常になったコロナ対策が加齢臭対策にもなるのであれば、40代以上のおじさま方にとっては一石二鳥ですよね。
しかし、加齢臭を抑えるという意味ではこのまま手指消毒をするだけだと無意味です。もちろん注意点もあります。これから、アルコール消毒の効果や使い方について紹介していきます。
目次
加齢臭の原因は?
若い頃の働いた後の汗は頑張った証できれいなものと思ってもらえますが、年を取るとそうもいきません。コロナ以降、レストランのシェフをしている父が早く帰宅するようになり、一緒にいる時間も増えました。
一家団欒の時間も増え、喜ばしいことなのですが、家に帰ってきた50歳の父の近くを通ると汗とたばこのニオイが混じったような加齢臭を感じ、おじさんになったんだなあとついつい思ってしまいます。
加齢による脂の成分の変化
そもそも加齢臭はなぜ出てきてしまうのでしょうか?
加齢に伴う中高年の体臭の成分はノネナールと呼ばれるもので、40代以降に皮脂から発生しやすくなります。
この理由は皮脂の中に特有の脂肪酸が増えるためですが、さらに酸化分解が進みやすい体質に変わることも重なり、この脂肪酸が分解されてノネナールが大量に発生します。
このように、成分を変化させる要因となるものが皮膚常在菌と呼ばれるものです。
皮膚常在菌とは文字通り、皮膚上に滞在している菌のことです。皮膚常在菌の代表的なものには、ブドウ球菌と呼ばれるものがあり、その他にも多数の菌の働きによって臭いが生み出されるのです。ブドウ球菌という名前だけ聞いたら良い香りがしそうですが。
加齢臭の発生する場所は?
加齢臭は噴き出ている汗から出ているわけではありません。顔から出ている汗をすぐに拭い取っても、それはただの無臭の水です。
ニオイの原因は、首や後頭部から出ている脂が服の襟に染み付き、時間が経過することでより強烈な加齢臭を生み出します。
簡単に言うと、加齢臭の元を断つには、この首回り等に染み付いた菌を殺してしまえばいいんです。
そもそも体臭の製造工程はどうなってるの?
男女年齢限らず、人間の皮膚には皮膚腺から出た皮脂があり常に分泌されています。
一方、汗は熱、ストレス、辛い物に反応して汗腺から出ます。
この皮脂や汗は出されたときは、無臭ですが、時間が経って皮膚常在菌と戦うことで、アミノ酸、脂質、タンパク質といった成分が酸化分解されて、不快なニオイのするガスを出します。これが体臭というわけです。
加齢臭に対するアルコール消毒の効果
殺菌で思いつくのがアルコール消毒ですね。こんな考え方になるのはコロナ脳になってしまっているからかもしれませんが、このように思う方も多いのではないのでしょうか?
自分もいずれ加齢臭をまとうようになるのかと思うと、年はやっぱり取りたくないと強く思います。
しかし、おじさんになる未来は確定されています。これは受け入れざるを得ません。そうなると対策するしかありません。それでは、アルコール消毒について紹介していきましょう。
手のアルコール消毒で加齢臭は消えない
注意しないといけないのは、店に置いてあるような手指用のアルコール消毒では加齢臭を消す効果がないということです。
申し上げたように臭いの元になる汗を出しやすいのは、首元と後頭部等です。手からは加齢臭は出ません。
また、使えば使うほど良いと勘違いして、過度に手の消毒をしてしまうと危険です。アルコール消毒はノズルをプッシュして手に吹きかけ、揉みこむだけでできる簡単なものなので、即効性があり、常在菌の働きも抑えてくれます。
しかし、肌からは常に汗は出続けているので、2時間ぐらい経てば手にある菌の数は元に戻ります。
皮膚常在菌は悪い機能だけではありません。肌の健康を保つバリア機能も担っているので、消毒しすぎると肌荒れの原因になります。やりすぎは禁物です。
なので、手指のアルコール消毒で臭いを消すという考えは忘れましょう。あくまで消毒です。
アルコール消毒で加齢臭を消すにはこれ
手の消毒はコロナ対策に有効ですが、加齢臭を消すこととは無関係です。
その理由は加齢臭自体、手からではなく、首回り等から発するものだからです。
ここまでくれば、やることは明確です。
今まで手にのみ使っていたアルコール消毒を、臭いの原因になっている服の襟などに使えばいいのです。
でも、店に入る時に手を消毒した後、服にもかけていたら絶対に変な目で見られます。そもそも恥ずかしくてできないですよね。
では、どうすればいいのか。アルコール消毒は殺菌に対して即効性はありますが、その効果は長続きしません。その性質も考慮して、自分で決めた時間に使うために携帯用アルコール消毒液をおすすめします。
ポケットの中にも簡単に収まる、いつでもどこでも使えるアルコール消毒です。すぐに手元に出せてとても便利です。手の殺菌はもちろん、服にかけても不自然ではありません。
ただ、服に着いた加齢臭は染み付いているものなので、いい香りがする消毒液を使うとより効果があります。
携帯用アルコール消毒人気3選
携帯用と言ってもこのご時世、種類は無数にあるので、どれを選ぶべきなのか悩みどころでしょう。殺菌と消臭を兼ねるために、今回は香り付きのアルコール消毒液で人気商品を3つ紹介します。
SVN JAPAN 携帯アルコール除菌スプレー
スティックタイプで、スーツのポケットなどに収納がしやすいサイズになっています。肌をいたわる機能性ペプチド配合です。ミントがほのかに香る程度なので、匂いもきつくなく加齢臭と混じって変な感じになることもありません。
ネイチャーズウェイ ドクターブロナー オーガニッククリーンスプレー
オーガニック成分95%配合の天然アルコールが主成分となっており、肌の弱い方にもおすすめです。香りは爽快なオーガニックミント、安らかな気分になるオーガニックラベンダーの2種類です。
ease 除菌アルコール75
保湿成分であるグリセリン配合。こちらは香りの種類が豊富で、真正ラベンダー、ハッカ、ティートリー×ユーカリ、マンダリン×カモミール、ユズ×ベルガモットがあります。天然精油100%で香り付けをしているので、アロマ効果も期待できます。
まとめ
そもそも加齢臭は出てきてしまうのでしょうか?加齢に伴う中高年の体臭の成分はノネナールと呼ばれるもので、40代以降に皮脂から発生しやすくなります。
この理由は皮脂の中に特有の脂肪酸が増えるためですが、さらに酸化分解が進みやすい体質に変わることも重なり、この脂肪酸が分解されてノネナールが大量に発生します。
40代以降になると、年を取った皮膚常在菌によって脂の成分が変化し、加齢臭が出てきます。
普段私たちがしている手指のアルコール消毒では、加齢臭を消す効果はありません。
加齢臭の元は首回りと後頭部などから出てくる脂で、この脂が服の襟に染み付き時間が経つことで臭いを発します。
そのため、服の襟などにアルコール消毒をして殺菌する必要があり、さっと出せて持ち歩きしやすいのが携帯用アルコール消毒液です。
香り付きの携帯用アルコール消毒液というのが多くあるので、手指消毒し、定期的に襟にささっと吹きかけて加齢臭を抑え、さわやか中高年になりましょう。
【監修者プロフィール】
第97回薬剤師国家試験に合格後、薬剤師としてドラッグストア併設の薬局で薬剤師・管理薬剤師を経験しました。
現在は化学系専門商社にて医療法務の業務(薬機法・景品表示法、医療法等)や化学物質管理業務に携わっています。
薬剤師の業務はもちろん、医療・健康分野にも豊富な知識を有しています。
僕は、中年になって自分から発するニオイに気づかず、仕事やプライベートでの失敗を数多くしました。
当時は、ネットも今ほど充実しておらず、「ニオイで病院に行く」という発想もありませんでした。
人間は誰しもが老い、そして加齢臭は避けては通れない道なのです。
僕と同じように加齢臭が気になった人たちへ、良い情報提供をしようと特に加齢臭・口臭等のニオイに特化したサイトを立ち上げました。
ライターは看護師、薬剤師、歯科衛生士、医学部学生等医療関係者等による記事です。
全ての記事が医療法務の専門家による厳しいチェックを受けております。
僕は、中年になって自分から発するニオイに気づかず、仕事やプライベートでの失敗を数多くしました。
当時は、ネットも今ほど充実しておらず、「ニオイで病院に行く」という発想もありませんでした。
人間は誰しもが老い、そして加齢臭は避けては通れない道なのです。
僕と同じように加齢臭が気になった人たちへ、良い情報提供をしようと特に加齢臭・口臭等のニオイに特化したサイトを立ち上げました。
ライターは看護師、薬剤師、歯科衛生士、医学部学生等医療関係者等による記事です。
全ての記事が医療法務の専門家による厳しいチェックを受けております。