妊婦になりつわりに悩まされる人が数多くいます。
その中でも私が経験した「ニオイつわり」ですが、妊娠前は何ともなかったのに街やショッピングモールを歩いているとふと香ってくる飲食店、ディフューザー専門店のニオイ、すれ違う人の体臭や加齢臭、香水など生活の中に潜むニオイに何度も吐き気を催したり、出先で気分が悪くなったりしました。
また、他人には理解されにくいもので、仕事中に気分が悪くなり外の空気を吸いに行ったり、人のいないところに行く回数が増えれば怪訝な顔をされ、迷惑をかけないように我慢して働くこともありました。理解してもらえないことがストレスとなりイライラし、旦那にあったってはケンカになり悪循環…どうしてよいか分からなくなったりします。
本記事では同じような悩みを抱える妊婦さんが、解決の糸口を見つけて少しでも残りの妊娠生活を快適に過ごせるようになれば良いなという願いを込めております。
では、ニオイつわりとは何なのか、どのような対策をしたらよいのか、周りの人に理解してもらうには?私が実際に実践した方法についてご紹介します。
〈ニオイつわりとは?〉
ふと気が付けば、今まで使っていた洗剤のニオイがなんだか気になる…あれ、この芳香剤ってこんなニオイだったっけ…仕事終わりの旦那のニオイが臭く感じる…好物だった食べ物のニオイが気持ち悪く感じる…等々、ニオイつわりは「今まで何ともなかったのに、気持ち悪い!クサイ!我慢できない!」とニオイに敏感になり苦しめられます。
更にそれに伴い気持ち悪くなっていることを周りに言えずに我慢していたり、伝えてもなかなか理解してもらえないということはありませんか?
妊婦に関わらずですが、つわりの症状から重さ、その期間はかなりの個人差があります。特に男性や妊娠したことがない人、妊娠してもつわりが無かった人に理解してもらうのはなかなか難しいことです。
理解してもらうことが難しいということを踏まえて、「なんで理解してくれないの!」と感情的になってはいけません。まず私が気持ちの面で切り替えたことは、「理解してもらえないことは当たり前のことだから仕方ない」と受け入れることです。
これは決して自暴自棄になったり、我慢するということではありません。考えてみてください。自分自身が全く経験のないこと、例えば男性の方に男側の気持ち、男とは、男だからできたこと、男だから損したこと等々、性別の違いで生まれる差は必ずありますがそれを力説され、「なんで分からないんだ!」と言われても、何となくの感情や気持ちは理解できるけど全ての経験と感情を理解することはできません。
でも、それは当たり前のことです。だってその人は他人であり、あなた自身ではないからです。それでも考えを知ろうとしたり、寄り添うことはできます。つまり、あなたのことも他人からすれば同じように他人であり、まったく同じ経験、感情を持つことはできませんが知ってもらい、寄り添ってくれることはあります。
だからまずは、「理解してもらえないことは当たり前のことだから仕方ない」と受け入れます。それが出来てから、分かってもらえないんだと落ち込むことも、イライラすることも減りました。
〈ニオイつわりはなぜ起こるの?〉
一つ目は、ホルモンバランスの変化です。妊娠すると女性ホルモンのバランスが崩れ、ニオイに敏感になるエストロゲンが増幅し、敏感になると言われています。
二つ目は、本能的なものです。妊娠する前と後では身体の動ける範囲が変わります。今まで難なくできていた体制をとることも難しく、歩くスピードもゆっくりになったりします。ニオイに敏感になることで危険を避ける手助けをしていると言われています。
〈どんなニオイがイヤになる?〉
- たばこ、お酒
- 台所、冷蔵庫
- ご飯の炊けるニオイ、炊きたてのご飯のニオイ
- 玄関、トイレの芳香剤
- 香水、化粧、整髪料
- スーパーのお総菜コーナーや揚げ物コーナー
- 職場の更衣室
- 近くにいる人の体臭や加齢臭
など生活の中にはたくさんのニオイが潜んでいます。あなたはどんなニオイに不快感を感じますか?ちなみに私は旦那のニオイが受け付けませんでした(笑)
仕事終わりのあのニオイはどうにかならないものかと頭を抱えました。
〈具体的な対策として〉
- マスクをする ⇒ 街中でふわっと香ってくるのには特に有効的です。
- 食べ物を冷やす ⇒ 食べ物は冷やすとニオイが軽減され、食べやすくなります。
- 家の中でタバコを吸わない ⇒ 喫煙者がいる場合、外で吸ってもらいましょう。
- 生ごみはすぐに処理をする ⇒ 家族にお願いすると良いですよ。
- 無香料の製品だけを使用する ⇒ どのニオイでもダメな時は試してみましょう。
〈ニオイつわりと向き合うには〉
今まで何ともなかったニオイが不快に感じるので、自分でもどんなニオイが不快なのか把握しきれていません。日常生活の中で感じる様々なニオイでイヤだ!と感じた時に携帯のメモに残していました。
あえて様々なニオイを嗅ぎに街に繰り出す必要はありませんが、普段のいつもと同じ生活の中で感じる不快に感じるニオイを探してみてください。私の場合は旦那の体臭や職場の近くにいる人の香水、更衣室の入り混じったニオイ、スーパーのお総菜コーナーや揚げ物コーナーのニオイが特にダメでした。
使用している洗濯洗剤、芳香剤、香水など自分の気にならない香りのものを選んで買い 換えました。今まで使用していた香水など使えそうなものは棚にしまって保管し、洗濯洗 剤や芳香剤は実家に譲り使い切ってもらいました。
ちなみに私は妊娠前は甘めの香りを好んで使っていて柔軟剤もたっぷり入れてましたが、妊娠してからは柑橘系の香りをよく使用していました。さっぱりしたものが多いので不快に感じることも少ないようで友人や姉なども柑橘系に買い換えていたのでおススメです。
仕事が遅くなったときは、スーパーでお総菜や揚げ物を買っていましたが、選んでいる時間も苦痛で自分自身は食べる気にならないので買うことをやめました。料理をする手間は増えますが、胎児にも手作りの方が栄養があるので面倒ですが頑張れました。
布団のシーツやソファ、クッションについた匂いも気になっていたので、休みの日にはこまめに洗うようにし、消臭スプレーなど自分の好きな匂いを使っていました。
まずは身近な人から伝えました。私の場合は旦那と自分の実家の両親へ伝えました。どんな匂いがだめなのか、新しい洗剤や芳香剤の種類、手伝ってほしいことなど伝えました。
職場では、更衣室と近くに座っている人の香水の匂いが気になっていました。更衣室はどうしようもないので我慢して、なるべく口で呼吸していました。香水の匂いについては、上司に「匂いつわりがあるので窓側の端っこの席にしてほしい」と伝え、席を変えてもらいました。
周りの人に知らせるときに重要なポイントは、感情的にならないことです。妊娠中は特に精神的にも不安定になりますが、辛かった!苦しかった!我慢していた!ということをぐっと抑えあくまでも「今こういう状態なので報告しておきます」くらいの気持ちで伝えてください。そうすれば、割とすんなり「そうなの?じゃあそうしようか」と希望通りに行くことが多かったです。
まとめ
様々な種類のつわりがある中で理解されにくいニオイつわりですが、自分が我慢すれば良い!とストレスをため込んでしまっては、母体にも胎児にも良い影響は与えません。
- 理解してもらえないことは当たり前のことだから仕方ないと受け入れる
- 自分の苦手なニオイを把握する
- 環境の変化
- 周りの人に知らせる
以上、私の経験を読んで少しでも試してみよう!伝えてみよう!と思われた方、まずは一歩ずつです。ご自身のペースで焦らず、行動に移してみてください。
【監修者プロフィール】
第97回薬剤師国家試験に合格後、薬剤師としてドラッグストア併設の薬局で薬剤師・管理薬剤師を経験しました。
現在は化学系専門商社にて医療法務の業務(薬機法・景品表示法、医療法等)や化学物質管理業務に携わっています。
薬剤師の業務はもちろん、医療・健康分野にも豊富な知識を有しています。
僕は、中年になって自分から発するニオイに気づかず、仕事やプライベートでの失敗を数多くしました。
当時は、ネットも今ほど充実しておらず、「ニオイで病院に行く」という発想もありませんでした。
人間は誰しもが老い、そして加齢臭は避けては通れない道なのです。
僕と同じように加齢臭が気になった人たちへ、良い情報提供をしようと特に加齢臭・口臭等のニオイに特化したサイトを立ち上げました。
ライターは看護師、薬剤師、歯科衛生士、医学部学生等医療関係者等による記事です。
全ての記事が医療法務の専門家による厳しいチェックを受けております。
僕は、中年になって自分から発するニオイに気づかず、仕事やプライベートでの失敗を数多くしました。
当時は、ネットも今ほど充実しておらず、「ニオイで病院に行く」という発想もありませんでした。
人間は誰しもが老い、そして加齢臭は避けては通れない道なのです。
僕と同じように加齢臭が気になった人たちへ、良い情報提供をしようと特に加齢臭・口臭等のニオイに特化したサイトを立ち上げました。
ライターは看護師、薬剤師、歯科衛生士、医学部学生等医療関係者等による記事です。
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