口臭を治すには歯医者?耳鼻科? 医学部生が教える正しい病院の選び方とは

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サイト運営者:太田 雄久

僕は、中年になって自分から発するニオイに気づかず、仕事やプライベートでの失敗を数多くしました。
当時は、ネットも今ほど充実しておらず、「ニオイで病院に行く」という発想もありませんでした。
人間は誰しもが老い、そして加齢臭は避けては通れない道なのです。
僕と同じように加齢臭が気になった人たちへ、良い情報提供をしようと特に加齢臭・口臭等のニオイに特化したサイトを立ち上げました。

ライターは看護師、薬剤師歯科衛生士医学部学生等医療関係者等による記事です。
全ての記事が医療法務の専門家による厳しいチェックを受けております。

皆さんは口臭が気になったことはあるでしょうか?

 口臭がひどすぎで、どこか体の調子が悪いのかも…
と考えたことがある人もいることでしょう。

 しかし、口臭は他の病気などとは違って、はっきりと原因が分からず、
結果的にどこの病院を受診するべきか分からない方も多いようです。

実際、ヤフー知恵袋では

口臭がひどいため、病院を受診しようと思っているのですが、
耳鼻科なのか歯医者なのか分かりません。どうすればよいでしょうか?

口臭が気になっています。歯磨きをしたり、水分をとったり、できる限りのことをしましたが治りません。どうしても気になるので病院に行こうと思うのですが、何科に行けばよいでしょうか?

  と言った、病院選びに迷う声が多く見られました。

  そこで今回は、口臭とその病院選びについて詳しくお伝えしていきましょう!

病院の選び方

 口臭のための病院選びだからと言って、何も特別なことはありません。

 「相談しにくいことだから」

 「病院に行く人を見たことがないから」

 と悩まず、一度、いつも病院に行くときにどのように病院を選んでいるか思い出してみましょう。

 例えば、あなたは鼻水が出てつまって苦しかったとします。

 そうするとあなたは、「鼻が悪い」と考えて“耳鼻科”を受診することでしょう。

 今度は、すごくお腹が痛くなったとします。

 すると“胃腸科”や“内科”を選んで受診しますよね。

 このように、病院を選ぶ際には

 「どこの部分が悪いのか」

 「どこに原因がありそうか」

 を考えて、それを専門としている病院を選ぶはずです。

 これは口臭でも同じです。

 口臭には多くの原因があります。

 虫歯、歯周病、蓄膿(ちくのう)症、胃炎などなど…

 「でも自分の口臭の原因がいまいち分からない…」

 という人もいることでしょう。

 そこで、ここからは具体的な例を参考に、主な原因と症状・特徴について見ていきましょう!

Aさんの場合(歯科)

Aさんは65歳男性です。

最近、口の中からいやなニオイがすると感じています。それ以外に体の不調は特にありません。かなり前に、虫歯になって詰め物をした経験がありますが、それ以降は虫歯にはなっていないかと…でもずっと歯医者には行っていないので分かりませんけどね。

 Aさんの例では、口臭以外に体の不調は特にないというケースですね。

 このような時は、ひとまず歯科医院を受診するのが妥当でしょう。

 また昔、虫歯になって詰め物をした、という話があったので、
「二次虫歯」の可能性も考えられます。

 「二次虫歯」とは、詰め物をしている歯が再び虫歯となる状態のことで、
特に金属系の詰め物をしている方に多いとされています。 

 詰め物は、虫歯となった部分をしっかりと埋めるようになっていますが、
時間が経つにつれて隙間が生じてしまうことがあります。

 その隙間から虫歯菌が侵入することで、同じ所が虫歯になってしまうのです

 また、二次虫歯では詰め物の下に隙間ができ、
そこで口臭の原因となる細菌が繁殖しやすくなります。

 そのために口臭の原因となりがちです。

 さらに、Aさんは長く歯医者を受診していない、とも話していたので

 歯周病や歯垢・歯石の蓄積などの他の原因も考えられます。

 これらは全て、歯科が専門なので、是非歯科医院を受診しましょう。

Bさんの場合(耳鼻科)

Bさんは、18歳女性です。

毎年、つらい花粉症と鼻炎に悩まされています。今年は特にひどく、5月になってもなかなか鼻水が止まりませんでした。そして最近なんだか、頭も痛くて重い感じがするようになりました。口から少し生臭いような、いやなニオイが一日中続いて、気持ち悪くて仕方ありません。また、いつもは鼻をかむと少し落ち着くのに、かんでもかんでも鼻水が止まらないんです。

 Bさんの例では何か花粉症に原因がありそうです。

 独特な口臭以外に、鼻水という大きな悩みがあるので、
Bさんは耳鼻科を選択するのが一番でしょう。

 長く続く鼻水や口臭の他に、頭が痛い・重いなどの症状も見られるので、
Bさんは「蓄膿(ちくのう)症」になっている可能性が最も高いでしょう。

 「蓄膿症」では、風邪や花粉・カビなどが原因で、鼻の奥にある「鼻腔(洞窟のように穴が空いた部分)」に炎症が起き、膿が出ることで発症します。

 Bさんの例にあった、症状以外に

  • 息苦しさ
  • ドロッとして黄色い鼻水
  • 鼻水がのどの奥でねばねばする
  • 顔や鼻の周辺などに痛みがある・押すと痛い

 などの症状があれば、ほぼ確実に蓄膿症である、と言っていいでしょう。

 このような場合は、原因となっている蓄膿症を改善しないと、
口臭も改善しないのですぐに耳鼻科を受診した方が良いと言えます。

 また、風邪や、のどの炎症でも口臭が発生することがあるので、
この場合も耳鼻科を選択しましょう。

Cさんの場合 内科

 Cさんは、51歳女性です。

半年ほど前から、度々胸やけを感じるようになりました。
たまに胃やその上のあたりがむかむかしたり、少し痛んだりすることがありましたが、ストレスからくるものだろうと、あまり気にしていませんでした。
ですが、ここ1か月くらい、時々強い口臭がします。
下水道のような嫌なニオイです。
その時には、必ずと言っていいほど胃液が上がってくる感じがあって…

 Cさんは、強い口臭に悩まされているようですね。

 また、それ以外にも

  • 胸やけ
  • 胃のムカつき
  • 胃の痛み
  • 胃液が上がってくる感じ

 などが見られます。

 このように、口臭以外に胃腸周辺の症状を感じるときは、
胃腸科や内科を受診するのが良い選択です。

また、見られる症状から、Cさんは「逆流性食道炎」を発症している可能性が高いと言えます。

 「逆流性食道炎」では、食べ物が消化されながら胃へと運ばれ、そのまま小腸の方向へと進んでいくはずが、それらが逆流し、再び食道の方向へと戻ってしまうことで起こります。

 一度胃に入った食べ物は胃酸や消化酵素と一緒になります。

 それが食道に上がってくることを繰り返すことで、食道の粘膜を傷つけるのです。

 Cさんに見られた症状の他に

  • 口の中が酸っぱく感じる、苦い感じがする
  • げっぷがよく出る
  • のどの痛み
  • 咳が出る
  • 喉がかれる

 などの症状があれば、逆流性食道炎の可能性は非常に高いでしょう。

 また、胃腸炎や便秘などの場合でも口臭が生じることがあります。

 胃腸と口臭以外に体の不調が見られない時は、胃腸の病気が口臭の原因となっている可能性が高いので、その際は迷わず胃腸科や内科を受診しましょう。

病院選びを迷ったら

 かなり口臭に悩んでいる時の病院の選び方に慣れてきたと思いますが、それでもどこにかかればよいのか分かりにくい場合があります。

 そこで特に起こりうる二つの場合について、さらに見ていきましょう。



口臭以外に体の異常が全くない場合

 これはAさんの場合に非常によく似ていますが、
Aさんとは異なり、定期的に歯科検診を受けている場合です。

 Aさんの場合は、口の中の異常を見落としている可能性がありましたが、それも考えにくい…

 そんな時は、口臭の原因は病気ではないかもしれません。

 実は口臭には、病気からくるものの他に四つの種類があると言われています。

生理的口臭

起きた時、お腹が減っている時、緊張している時など
皆さんも口臭を感じたことがあるのではないでしょうか?

これは、口の中の唾液が少なくなって、
ニオイの原因となる細菌が増殖することで起こります。

歯磨きをしたり水分を積極的に取ったりすることで、
口臭も自然と改善されることが多いですよ。

食べ物や嗜好品による口臭

 これは先程の生理的口臭よりもさらに一般的かもしれません。

 焼肉やにんにく、ネギなどを食べた後は、
特に胃の奥からニオってくる感じがありますよね。

 また、酒やコーヒー、タバコなどの嗜好品も口臭の原因となります。

 食べ物による口臭は一時的なものがほとんどなので、
消化されるにつれてニオイも気にならなくなることがほとんどですよ。

 ただ、タバコといった嗜好品はとりすぎると歯や口の中にニオイが染みついてしまって、口臭が無くなりにくくなってしまうので、口臭が気になるようであれば控えた方が良さそうです。

ストレスによる口臭

 ストレスが原因で口臭を引き起こすこともあります。

 ストレスを感じると、唾液が分泌されにくくなってしまいます。

 すると、口の中が乾燥した状態になってしまい、
ニオイの原因となる細菌が増殖してしまうのです。

 この場合も病院に行かなくても十分治すことができますよ。

 
水分を多くとり、口の中を清潔に保つことはもちろん、
できるだけリラックスできる時間を作りましょう。

 夜の入浴時間を長くしてみたり、趣味の時間を作ってみたり、
アロマなどの良い香りで落ち着いてみるのも良いかもしれません。

心理的口臭

 これは、少し他の口臭とは異なります。

 口臭と言っていますが、この場合は、実際には口臭と呼べるほどのニオイはなく、

 その人自身が「自分の口はクサい」と思い込んでしまうものです。

 この心理的口臭は、よく「自臭症」と呼ばれます。

自臭症では「自分がクサい」と思い、不安を感じ、
日常生活にまで影響を及ぼしてしまうケースがよくあります。

 これは、精神的な部分が原因となっているので、心療内科や精神科を受診することが一番の対策なのですが、「自分がクサい」と思い込んでしまっている以上、中々その疑いを拭えない人も多いのです。

 このように、どうしても口臭が気になる時は一度自分の口臭のレベルを測定してみると良いかもしれません。

 口臭の測定は、歯科医院ではもちろん、スマートフォンに専用のアプリを入れることでもできますので、是非参考にしてみてくださいね。

 

複数の場所に症状がある場合

 先程紹介した、様々な口臭の原因がありましたが、

「自分は最近歯医者に行っていないから、口の中が原因かもしれないし、
胃も痛いから胃腸が原因かもしれない…」

 といった、複数選択肢があって選べない場合もあるでしょう。

 そんな時は、自分が今一番気になっている場所を専門とする病院を受診すると良いですよ。

 分かりにくい方は

「日常生活で一番負担になっている症状」

「一番我慢できない不快感」

 というのを指標に選んでみると良いかもしれません。

 どれも同じくらいだ、と思う人がいれば、まずは口臭のプロである、
歯科を受診してみましょう。

病院はたくさんの専門の科があり、選ぶのがとても難しいですよね。

  特に口臭は、原因となるものがたくさんあるので、選択に迷うと言えるでしょう。

  そんな時は、自分の体ともう一度向き合って、一番気になる症状を探してみましょう。

サイト運営者:太田 雄久

僕は、中年になって自分から発するニオイに気づかず、仕事やプライベートでの失敗を数多くしました。
当時は、ネットも今ほど充実しておらず、「ニオイで病院に行く」という発想もありませんでした。
人間は誰しもが老い、そして加齢臭は避けては通れない道なのです。
僕と同じように加齢臭が気になった人たちへ、良い情報提供をしようと特に加齢臭・口臭等のニオイに特化したサイトを立ち上げました。

ライターは看護師、薬剤師歯科衛生士医学部学生等医療関係者等による記事です。
全ての記事が医療法務の専門家による厳しいチェックを受けております。

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