「自分の口がクサイ!」と感じたことがある人は非常に多いでしょう。
よくあることですが、意外とほったらかにしたり、歯磨きやブレスケアをしたりして、そこまで深く考えていない人も多いように感じます。
実際にヤフー知恵袋を見てみると
「口臭が非常に気になっています。市販のタブレットやガムなどで対策してみました。」
「1日に歯磨きを何度もしていますが、歯磨き粉の香りで口臭がごまかせません。」
といった、いわゆる「その場しのぎ」の対策を行なっているコメントをよく見かけました。
口臭を根本的に治すのであれば、自分の口臭の原因が何かについて詳しく知る必要があります。
後ほど、考えられる口臭の原因は全てお話ししますが、今回はその中でも特に悩む人が多い、
「口の中の細菌が原因の口臭」について詳しくお話ししたいと思います!
目次
口臭の原因は四つもある!?
口臭の原因を詳しく知る方はそういないかもしれません。
実は、口臭の原因は細菌が原因のものも含めて、四つもあるんです。
それでは、まずはその原因について詳しく見ていきましょう。
口の中の細菌が原因の口臭
まず、今回のテーマである口臭の原因菌が潜んでいる場合です。
口臭となる原因菌のほとんどは嫌気性菌(成長に酸素を必要としない細菌)によるもので、この菌は口の中に残った食べかすなどを分解して、ニオイのする気体を発生させます。
この口臭の原因菌のうち、最も多く見られるのが歯周病菌です。
また、虫歯菌なども口臭の原因となることもありますが、後ほど詳しく説明しますね。
全身の病気が原因の口臭
口ではない体のどこかに異常がある場合も、口臭が発生することがあります。
例えば、非常に有名なのは「蓄膿(ちくのう)症(副鼻腔炎)」でしょうか。
「蓄膿症」では、風邪や花粉・カビなどが原因で、鼻の奥にある「鼻腔(洞窟のように空いた部分)」に炎症が起き、膿が出ることで発症します。
少し生グサいような独特な口臭以外に、黄色い鼻水や息苦しさ、頭痛などの症状があります。
筆者にも、風邪をひいた時に、「やけに鼻水と頭痛だけ続くな…」と思っていたら、蓄膿症になっていた、なんてことがよくあります。
この「蓄膿症」以外にも
・呼吸器系や消化器系、耳鼻咽喉系、肝臓系のガン
・糖尿病
・扁桃炎などの、のどの炎症
・感染症
・逆流性食道炎
といった病気で、口臭が発生することがよくあります。
普段感じたことのないニオイであったり、ニオイ以外に気になる体の不調があったりする場合は、病院を受診した方がいいかもしれませんね。
食べ物が原因の口臭
これはもしかすると日常生活で最も感じる口臭かもしれません。
筆者も最近、ネギがたっぷり乗った牛丼を食べた後に、ものすごい口臭がして非常に気になったのですが、このように食べ物が原因で口臭になることを指します。
特に最近はコロナ禍で、食後すぐにマスクをつける機会も多くなっているので、気になっている方も多いのではないのでしょうか。
ネギ以外にも、にんにくやニラ、アルコール類などニオイが強いもの、ニオイが体内に残りやすいものでよく起こります。
この口臭は比較的一時的なものなので、食べ物の消化が進めば、口臭が収まることがほとんどです。
生理的口臭
これもかなりの方が経験したことがあるかもしれません。
生理的口臭とは、朝起きた時やお腹が空いたときに、緊張した時などにホルモンバランスが不安定になることで起こるものです。
また女性の場合は特に、生理や更年期などでホルモンバランスが乱れやすく、そのような時にも口臭を感じやすくなります。
生理的口臭の場合、食べ物が原因の口臭のように時間が経てば消える、というものではありません。
ただ、口臭を感じる一定の期間があり、その期間以外はニオイが落ち着く場合がほとんどです。
また、歯磨きなどの記法的な口腔ケアで抑えられる程度のニオイばかりなので、もしそのようなケアをしても収まらないような強い口臭の場合は、病院で相談してみましょう。
細菌のせいで口がクサイ! その1
ここからは、今回の本題である「細菌が原因で起こる口臭」を具体的に見ていきましょう。
まずは、「細菌が原因で起こる口臭」がどんなものなのか、その一例を見ていきたいと思います。
「Aさんは、36歳女性です。
1ヶ月ほど前から、左上の歯からいやなニオイと味がするようになりました。
ニオイは自分だけしか感じていないと思っていましたが、つい一週間前に家族に口臭を指摘されたんです。
口臭と味以外には全く何の不調も感じません。
いつも歯磨きは念入りに行っていましたし、特に口臭が気になりだしてからは熱心に行っていました。」
Aさんはその後、歯科医院を受診しました。
そこで、口の中を検査すると、左前歯の歯肉が腫れていて、触ると出血も見られました。
勘の良い方はここで何の病気かお分かりでしょう。
そう、「歯周病」です。
歯周病といえば、歯肉が腫れたり、歯茎から血が出たりするイメージが強いですが、先ほどお伝えした通り、細菌が原因で起こる口臭のうち、最も多いのが歯周病菌によるものです。
はがれ落ちた粘膜や、食べかすなどを栄養源に歯周病菌は増殖します。
この時に発生するガスが、歯茎の組織を刺激し、炎症を引き起こすのです。
歯周病菌を増殖させないためには、
・定期的に歯科検診を受けること
・適切な口腔ケアを行うこと
が大切です。
詳しい口腔ケアは後ほど口臭対策のところでお伝えしますね。
細菌のせいで口がクサい! その2
歯周病菌の他に、虫歯が原因で口臭になる場合もあります。
この場合も、まずは一例を見てみましょう。
「Bさんは、60歳男性です。
一年ほど前から、歯に穴があいている感じがして、虫歯ではないか?とは思っていました。
しかし、歯の治療が苦手なのでそのまま放置してしまっていました。
ここ三か月ほどで、食べた時に穴の部分がしみたり、口がクサく感じたりするようになってきました。」
このBさんの例のように、虫歯が進行した状態であったり、そのまま治療をせず、放置していたりすると口臭の原因になりかねません。
虫歯菌は、歯周病菌と同じように、口の中の食べかすを栄養源にします。
そうして歯の周りに歯垢(プラーク)を作り、自分たちの住かにします。
そこで増殖した虫歯菌は酸を出すので、この酸によって歯が溶かされてしまうのです。
これによってできた虫歯の穴に別の食べかすが詰まって腐ることで嫌なニオイになります。
この場合の口臭も、虫歯が深刻化しているケースが多いので病院をすぐに受診することが大事ですが、歯周病の場合と同様、適切な対策があります。
細菌が原因の口臭!対策とは?
それでは、口臭の原因菌への正しい対策をお伝えしていきます。
それは、簡単に言うと「口の中を原因菌が育ちにくい、住みにくい環境にすること」です。
そうすることで、口臭の原因菌を減らし、最終的になくすこともできます。
「じゃあ、具体的にどうすればいいの?」という方のために、詳しい方法をお伝えしていきましょう。
口の中を清潔に保つ
これだけ聞くと、「なんだ、当たり前じゃん」と思う人もいるでしょう。
しかし、案外歯と歯の間や、歯と歯茎の間(歯周ポケット)などに残った食べかすや、そこに潜む原因菌をきれいに洗い流すことは難しいんです。
正しい口腔ケアでは
・正しい歯磨き(ブラッシング)の方法で行う
・歯磨き以外に歯間ブラシやデンタルフロス、モンダミンと言った洗口剤を使用する
という二つのポイントを押さえなければならないからです。
そもそも、正しい歯磨き(ブラッシング)方法はご存じでしょうか?
実は、歯磨きを正しく行うためには
・基本の動作
・磨く場所
・ブラッシングの種類
の三つについて知っておかなければなりません。
まず、基本の動作から。
歯ブラシをしっかり握り、軽い力で小刻みに動かします。
磨く場所は、歯の上下左右の頬側と舌側
つまり、上の歯の前面と後面、下の歯の前面と後面の四カ所を中心に行います。
続いて、ブラッシングの種類について
意外と歯磨きの仕方に何種類もある、ということを知らない人は非常に多いですが、主に四つのブラッシング法があります。
・スクラビング法:歯ブラシの毛先の部分を、歯に垂直に当てて小刻みに動かしながら一本ずつ磨く
・バス法:歯と歯茎の境目に歯ブラシの毛先の部分を当てて、歯ブラシを少し斜めにしながら小刻みに左右に動かす
・ローリング法:歯と歯茎の境目に歯ブラシのサイドの部分を当てて、毛先が歯と歯茎の間に当たるように、クルンクルンと回転させて、歯垢をかきだすように磨く
・フォーンズ法:「い」の口をして、見えた歯の白い部分に歯ブラシの毛先を当てる。そのまま小さな円を描きながら、少しずつ横に移動する
一回の歯磨きでも、この四つの方法を場所によって使い分けながら丁寧に行うことが大切なんですね。
口の中を乾燥させない
口の中が乾燥しているということはつまり、「唾液が少なくなった状態」と言えます。
唾液には食べ物を消化する働きがある、ということはよく知られていますが、実は口の中の細菌などを洗い流す働きも持っています。
なので、口の中が乾燥していると口臭の原因菌が繁殖しやすくなってしまいます。
唾液が少なくなる原因には、水分をあまり取っていないことや口呼吸、飲酒や喫煙などがあります。
まずは、それらを改善することで口臭を減らすことができるかもしれません。
また、口の中の乾燥がひどくなると、より口臭が強くなるだけでなく、舌がひび割れたり、痛みで食事が取れなくなったりすることもあります。
このような状態になった場合は、歯科医院を受診した方が良いと言えます。
まとめ
口臭に悩む人はたくさんいます。
その分、口臭には様々な原因があります。
だからこそ口臭を根本的に治したいと思ったら、自分の口臭の原因が何か、考えてみることが一番大切です。
特に細菌が原因で口臭になっていると感じたら、
・口の中を清潔にする
・乾燥に気を付ける
ことを意識して、口の中の状態を改善していきましょう。
僕は、中年になって自分から発するニオイに気づかず、仕事やプライベートでの失敗を数多くしました。
当時は、ネットも今ほど充実しておらず、「ニオイで病院に行く」という発想もありませんでした。
人間は誰しもが老い、そして加齢臭は避けては通れない道なのです。
僕と同じように加齢臭が気になった人たちへ、良い情報提供をしようと特に加齢臭・口臭等のニオイに特化したサイトを立ち上げました。
ライターは看護師、薬剤師、歯科衛生士、医学部学生等医療関係者等による記事です。
全ての記事が医療法務の専門家による厳しいチェックを受けております。
僕は、中年になって自分から発するニオイに気づかず、仕事やプライベートでの失敗を数多くしました。
当時は、ネットも今ほど充実しておらず、「ニオイで病院に行く」という発想もありませんでした。
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